イニシエーション・ラブ。小説版の感想。最後の2行がすごかった

推理小説のおすすめを調べると必ず名前が挙がる作品ですね。
特に言われているフレーズが最後の2行で騙されるということ。

騙される作品といえば「十角館の殺人」や「葉桜の季節に君を想うということ」などが有名ですね。


その2冊やほかの叙述トリック作品を読んできたので、最後の2行が書かれる前に見破ってやると意気込んだのですが、見事騙されました。
といったところで、ここからネタバレあり。未読の方はブラウザバック推薦です。

 一週目のsideA

最初の鈴木君の話ですね。童貞の彼が成岡繭子とクリスマスを過ごすまでのものがたりが描かれています。

トリックを暴いてやると意気込んでいた僕は、合コンや海での状況を見て、主人公のことなんで好きになったのだろう?

積極的すぎないか?と怪しさを感じたのですが、こういう恋愛もあるのかなと思って謎の納得してしまいました。

また、たっくんという呼び名にも違和感を大きく感じました。

ただ、すこし変わった女の子なんだなと思い、頭の中から忘れ去られていくのですがね。

一番疑問に思ったのはルビーの指輪。無くしたと滅茶苦茶な言い訳をします。

これ絶対、物語のカギになるだろと、この時点で思っていました。

そんなこんなでsideAが終わりsideBに移行するのでした。

一週目のsideB

前半と対称的なストーリー。最初のうちは東京に移り住むこととなった主人公と繭子との関係は良好で、sideAに続いて幸せな気持ちでいられるのですが

石丸が出てきて、突発性難聴にかかったあたりから辛くなりますね。遠距離恋愛のもどかしさが歯がゆい。
当時のテレホンカードがいい味を出しています。主人公が彼女と話すことより残りの数字を気にするのがおもしろい。

それからちょっと経つと、繭子との決別の大きなきっかけとなった妊娠がおこります。ここから、主人公の心は揺れだしたのでしょうね。
とどめとなったのが、石丸さんの告白のあとのイニシエーションラブ談義。これが妙な説得力を持っているのです。

過去の出来事を冷静に分析できて、容姿端麗の女の子いたら、そりゃ主人公も食いつきますよね。

その後、繭子に暴力を振るい、別れた後、石丸と愛し合います。
そして最後、辰也というキーワードを読者に示します。これは衝撃でした。

あとがきと二週目

いやーダマされました。まさか2つの主人公が別々だとは思わなかったです。

繭子はとんでもない悪女じゃないですか、sideBの主人公も悪いところがあるけど、会ったばかりの童貞の鈴木に手を付けるなんて考えられないです。
おまけに妊娠して堕胎、最悪の女としか言えません。あと最後のトリックのばらし方、かっこいいですよね。

sideAとsideBは同時に再生されるって、改めて読むまで理解できませんでしたが、意味が解ると鳥肌ものです。

全体の感想

ひさしぶりに叙述トリックもの読んだのですが、やっぱりこのジャンルはおもしろいですね。
ダマされる感覚がたまらないです。恋愛小説としても、推理小説としても楽しめる、良い作品に出会うことができました。