【書評】小説「億男」、おもしろくないかもしれないが・・・

本を読もうとアマゾンでベストセラー小説を探したところこの「億男」を発見。
文庫本の値段で販売されていること、映画化されていることを知っていたので、購入を即決。

小説としては短めで一日で読み終えことができたので、さっそく書評を書こうと思います。

この小説エンターテイメントではない

僕はあらすじを読んだとき、九十九を探すことを目的とした、探偵小説のようなものを想像していたのですが、全然違っていました。
哲学書というか、エンターテインメント感のない小説というか。ともかくあらすじに書かれていることとは趣向が違うような気がします。

この小説は主人公、九十九、主人公家族、九十九の元同僚が登場します。
それぞれ別の立場でお金と幸せについての考えを述べるを眺める小説となっていて

読みたいジャンルとはちょっと違かった感。
エンターテイメント的なものを期待してるとおもしろくないかもしれません。

ベンチャー創立時のメンバー3人の語り

十和子はお金に縛られる人間への憎悪。百瀬はお金を持つことの恐怖。千住はお金に目がくらんだも自分への絶望を話します。
貧乏人の僕ですがそれぞれ心に響くこともありましたので紹介します。

十和子の話でお金への欲が愛をこえてしまうという苦悩が語られています。僕もそういう風な人間は苦手です。
最近、テニスプレイヤーの錦織圭選手の彼女がそういう性質の女なんじゃないかということで叩かれています。

錦織圭選手が特別好きなわけではないのですが、なんとなく彼女のことを僕は嫌いだし、憎んでいます。
少し、十和子と僕は似てるのかなと思って読んでました。さすがに12億隠しはしませんがね。

百瀬はお金を持ちすぎた人間を批判します。金がもたらしてくれる喜びは長続きせず、金持ちはお金を失う恐怖をお金で打ち消そうとするというのです。

お金を手に入れて生活の質を上げるともう後戻りできませんからね。あのサッカー選手のロナウジーニョも破産したそうです。
そういうニュースを見るとお金持ちは震えあがるのかもしれません。

九十九を信じることができずにお金を優先して、夢を売ってしまったことを千住は後悔しています。
よくある話ですよね。夢をあきらめて、お金の稼げる仕事に就く。

それは現実的ですがちょっと寂しいことですよね。それ自体が悪いことではないのですが悔いは残ります。

主人公家族と九十九の語り

主人公と妻の万佐子の出会いのきっかけは図書館でした。欲のない万佐子に主人公が本をお勧めすることで、欲を見出し結婚することになりました。
しかしお金を手に入れてもあいまいなイメージしか持ち合わせない。欲のない主人公に愛想をつかしてしまいます。

そしてラストシーンに移ります。九十九と再会し、3億円を盗んだのに、信用したままでいたことを感謝し去っていきます。
最後に失ったものを取り戻したいという欲を見出した、主人公が描かれて終わりとなります。

結局お金を手に入れても満たされないということですね。
幸せかどうかの価値観は自己肯定力が多くかかわっている云われています。

その中でも自分のなかで信頼されているという感覚が、九十九に足りなかったのでしょうね。
やはりお金以外の感情のアプローチが一番人を幸せにするのかもしれません。

最近、うつ病の人間に一億あげれば解決するなんて、SNSや掲示板では言われていますけどありえないですよね。
年収と幸せが比例するのは年収850万円までなんて言われていますし。

最後に

エンターテイメントだと思って読み始めたから、哲学書なところがあってびっくりしました。

が、読み終わってみると、考えさせられるところあってとても良い作品だったと思います。
ただ、思わせぶりなあらすじは変えたほうが良い気もしなくもない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。