今日は心理学を学べる書籍、「脳は、なぜあなたをだますのか ──知覚心理学入門」を読ませていただきました。
いやー、とてもおもしろかったです。
話したくなるような雑学がものが多く挙げられていて、知的好奇心を満たすにはとても良い本だと思います。
しかも、どれも驚くような結果を示すものばかり。
ただし、人への洗脳方法を知りたいという理由でこの本を読むならおすすめしません。
その部分は広く掘り下げていないので。
第一章 脳の中の工場見学
ベクションやクオリアといったキーワードから知覚心理学が語られます。
どちらも聞き馴染みのない単語ですが、非常にわかりやすい説明で簡単に理解することができました。
なんとなく感じていた概念をしっかりと科学していて驚きました。
これ面白いと思ったのはベクション。本書に書き記されている通り、エンターテインメントの現場で多用されていますね。
僕自身、アニメをよく見るので今度から注視してみたいと思います。
第二章 本当に自分の意志で行動しているのか
この章では自由意志という言葉が使われ、議論されます。
人間らしさを表すときにこの言葉をよく使いますが、心理学においては否定されているようです。
環境に適応しているだけで、意識が行動に付随するだけというのはとても面白い事実だと感じました。
自由意志を検証するために、行動を起こすと意識で決めた時間と脳が準備した時間の比較が行われます。
普通は意識が先行すると思うのですが、実際は逆。
そのことには驚嘆しました。ないのか自由意志・・・。
第三章 人間は合理的にふるまう動物なのか
自堕落な人間を見てきたので、人間は合理的ではないなと思っていたのですが昔の経済学者は正しい行動をすると思っていたそうです。
この章では、その人間の不確かさを科学する行動経済学の分野が扱われます。
驚きなのは人間より鳩の方が合理的という事実。モンティホール問題という数学の問題を取り上げて、そのことが証明されます。
いざ人間の自分が解いてみると正解どころか答えが提示されても理解が難しい。
しかし、鳩は経験則でその問題を解いてしまうのだから恐ろしいです
第四章 だまされないために、心のからくりを知る
この章では間違った情報を鵜呑みにしないように、注意すべき点を羅列しています。
そのなかでもアンカリングという技術は気を付けないといけないと思いました。
ある数字を提示されると、その数を基準にしてしまうという現象です。
このことをうまく使うと社会でもちょっと得しそうなので、覚えておくと損はないかもしれません。
最後に
やっぱり心理学の本はおもしろいです。話したくなるような効果がたくさんありました。
本書に書かれていることが日常でどれくらい行われているかを考えて過ごしてみたいと思います。
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